腸内フローラと「デブ菌」、痩せる秘訣

「デブ菌」の考察

 

前項でもアメリカのある研究グループの報告を紹介しましたが、実際に感染症治療のために糞便を移植するという治療がいろいろ検証されています。そして、その中で、肥満の人からの糞便移植を受けると、痩せていた人でも肥満傾向になったという報告が出されてきたわけです。

 

加えて、動物実験で同様の現象が確認されたのですから、「デブ菌」が現実に存在するという説が強くなってきたのです。

 

実は、1日中ダラダラと食べ続けていると、腸内細菌が偏ってくるという研究報告が出ています。露骨に言えば「1日中食べていると「デブ菌」が腸を支配してしまう!」ということです。

 

一方で、「腸内フローラ」(腸内細菌の集まり)は、食べるもので変えることができるという報告あります。これはアメリカ・ハーバード大学の報告です。

 

さて、俗称「デブ菌」ですが、どうやら、消化されたものを体内に溜め込んでしまう作用のあるファーミキューテスという菌がこれに該当しているとのことです。生息地域は、もちろん腸内です。フィルミクテス門のファーミキューテスは、真正細菌の門で、低GC含量とグラム陽性に特徴づけられます。真正細菌とは、分類学上のドメインのひとつですで、そこに含まれる生物を指しています。

 

ファーミキューテスは、腸内細菌や皮膚常在菌、病原菌、そしてヨーグルトなど発酵食品などにも含まれていています。このファーミキューテス菌が腸内で増加すると、食事からのエネルギー回収率が高くなるのです。そのために肥満につながりやすいのです。

 


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