手強い「デブ菌」
腸内細菌であるファーミキューテス菌がいわゆる「デブ菌」であり、肥満のもとになるということがわかってきました。このファーミキューテス菌を減らそうということになりますが、一番簡単なのは「食事の量を減らす」ことです。低カロリー食にして摂取エネルギー量を減らすのでもかまいません。
こう言ってしまえば話は終わりになってしまいますが、それができるなら誰もダイエットで苦労しませんよね。そこで、もうすこし話を進めていくことになります。
肥満の原因として食べ過ぎがあり、ファーミキューテス菌、いわゆる「デブ菌」が増えやすくなり、更に運動不足も加わると、肥満度はより高くなってしまうわけです。基本的に人間の体は、摂取した食物の栄養、水分の80%を小腸で吸収し、栄養を補います。吸収されなかった成分は大腸を通過して排泄する仕組みになっています。
ところが腸内に「デブ菌」が多く存在すると、体に必要ない成分まで吸収して溜め込んでしまいます。必要のないものを溜め込む「デブ菌」と、健康な体をつくる「ヤセ菌」(バクテロイデーテス)という2つの菌群のバランスは、「デブ菌」4、「ヤセ菌」6が理想とされています。「デブ菌」の比率が増えると、相当に食事制限をしないと肥満は解消しません。
そんなことから「ビフィズス菌」なども注目されるようになってきたわけです。
森永乳業が「日本栄養・食糧学会大会」で発表した「ビフィズス菌B-3による抗メタボリックシンドローム効果」などが注目されています。ビフィズス菌B-3を使った動物試験では、体重や体脂肪の蓄積の抑制し、血糖値や総コレステロール値の低下、という作用を確認しています。BMIが高めの人を対象とした検査でも、ビフィズス菌B-3含有食品の摂取で、体重、体脂肪、血液指標への影響について確認しています。
「腸内フローラ」の改善は、こうした身近な食生活の工夫から切り開いていく手があるのです。